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パターンー180°変えてみることー

投稿日:2017/4/29

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『現在、あなたが使っている知識はなにか?』

ある本を読んでいる時に、こんな一文が書いてあった。

写真で置き換えて考えてみると、あるパターンが見えてくる。

自分の撮影スタイルはある程度、頭の中で設計図を準備して撮影をすることが多い。

Aという場所で1と2という写真を撮って、次にBという場所で3と4という写真を撮って、次に・・・・というようにしている。

七五三の撮影では、とくにそのようにする場合が多い。

理由は、なるべく子供に負担をかけずに美しい写真を残したい。という気持ちがあるからだ。

着物は染物特有の美しさがあり、日本人の顔立ちや黒い髪によく似合うのが最大の魅力ともいえる。

特別な節目にしか着ることのない着物は、「また美しい私」を演出してくれる。

まさに着物は日本のドレスのようなものである。

その美しさの反面、時間をかかり、動きづらい。という特徴も持っている。

会社研修で私も実際に着物を着てメイクもしてもらったことがある。

(気持ち悪いのであまり思い出したくないが・・・。)

とても体が不自由で、動いてはいけない。と誰かに言われているような気分だったことを覚えている。

これを子供が着ていると思うと、多くの時間をかけることが子供にとって良いことではない。

私の写真の知識と技術を使って撮影パターンを準備して、顧客の満足する写真をなるべく負担をかけずに作り上げることが良いことではないだろうか。

このようなパターンは写真に対する確実性を保証してくれるが、写真の類似性を同時に付与される。

「同じ写真」になるということである。

毎日撮っているので同じような写真になる傾向があるのは確かかもしれないが、それが安定なのか不安定なのかの基準は「自分が楽しいか」である。

同じような写真でなくとも顧客が満足する写真はある。

ライフスタジオでは100人以上のカメラマンがいて、インテリアも店舗によって異なっている。

もし、同じ写真でいけないのであれば本社にクレームの電話がなりやまないだろう。

この写真は私の新しいパターンになった。

パターンというのは、いくつかの写真の構成要素の集合体によってつくられる。

 

①光が逆光になっている。

②インテリアが整理されている。

③インテリアと調和する前ボケがある。

④イメージが統一化されている。

⑤レンズの特性を利用しやすい。

 

など、このような写真の構成要素のフィルターをかけてスタジオ全体を見て、最も最適な場所をAと設定し、1と2という写真が作られる。このような過程で自身のパターンが装着されていく。

 

例えば、七五三の撮影では「和室」で撮影する時があるが、結局はこのようなフィルターを通して最適であるから写真に違和感がないのである。「洋室」で撮影することが安易ではないだろう。
しかし、自身のパターンを大きく変える方法が、あえて「洋室」で撮影することである。

この写真は、いつも撮っている場所と180°カメラポジションを変えている。

そこにあったのは、トイレに続く暗めの廊下だった。

瞬間、思ったのが「イメージをつくらないといけない!」だ。

点ではなく全体を見るようにセンサーをすべて働かせた。

 

POINT①天井には2本の柱が2本の斜線になっている。

POINT②天井には1枚の柔らかい白い布が川のような曲線になっている。

POINT③大きな扉と小さい扉が垂直に縦に並んでいる。

POINT④光は順光であり、手前から奥にかけてゆっくりと暗くなっている。

POINT⑤廊下の奥には、わずかにオレンジ色の光が照らされている。

 

このPOINT⑤が持つイメージは「冷たい」だ。それは、薄暗い印象があるからだ。

だから、新たに自身でPOINTを作ってあげ、全体のイメージを調和させなくてはならない。

POINT⑥自然のイメージのある植物を入れてあげ、曲線になっている枝を被写体を包み込むように配置する。

POINT⑦1枚の白いカーテンを入れてあげ、明るい印象を与えている。そして、背景の白い布と関連もさせている。

POINT⑧曲線になっている枝と白いカーテンの斜線に被写体を配置することで、主体をはっきりさせる効果を持たせている。これはビネッタという手法を用いている。

POINT⑨順光による露出比を利用するため、被写体と背景の距離をあけている。被写体は明るく、背景は暗くなる。そのことにより、被写体はやわらかいスポットライトが当たっているような効果を持っている。

 

このPOINT①~⑨までが、この1枚の写真の特徴である。

 

常に自分のパターンを持つことは安心と同時に不安もある。

そして不安のなかには実は可能性がある。

自分の立ち位置を180°変えてみることは、勇気のいることかもしれない。

しかし、パターンという主題は、自身の不安の扉を開けて可能性を見つけることである。

それは、単純に私たちにとっていいことではないだろうか。

 

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