PhotogenicNagoya

Best of Fujita October.2017

2017/11/13

689 0

世の中には無数の仕事が存在しています。
.
人々の未来を考えるもの。何かを生産したり処理するもの。新しい価値を提供したりするもの。
そんな中で写真を撮る仕事とはなんの価値があって取り組むのでしょうか?
.
写真は今を切り取り未来へ残していく役割がありますが、単純に決まった場所で決まったポーズをしてシャッターを切るわけではありません。ライフスタジオでは写真の話だけではなく人についても考えて言葉にも残します。
.
私がここで写真を撮るために得たものは、カメラの扱い方や美しい写真の撮り方だけでなく、
人について考えるということが大きいです。
.
そのために哲学なんかも少し勉強したりしました。
.
当たり前のように流れていく日常や当たり前に接する人々をどう捉え、何を感じていくのかが、カメラマンがどんな写真を撮るのかに繋がってきます。
.
人はずっと変化をし続けていくからこそ、今を残すということに価値を感じます。
.
そして人生の中で特に短い子供時代、
.
それは若くて元気があって小さなことに心をつかう時代で、親にとっては写真をたくさん残していきたい時期だと思います
.
小さいときは親と子供は一緒にいて同じ世界を見ていきます。
子供本人以上に親が一番子供のことをわかっています。
普段どんな表情をするのか、
何を話した時に一番楽しそうなのか、
嫌いなことはなんなのか。
.
でも子供がだんだん外に出るようになって、外の世界に関わっていくにつれて、
親の知らない表情や話を見せてくれることが増えていくのだと思います。
.
そうしてひとりの人間として存在を確立していくのです。
.
それをどんな気持ちで親が見守っていくのか、まだまだ今は想像しかできませんが、
きっと少し寂しくて、でも嬉しくて、楽しみなような、
言葉にいい表せない思いではないのかなと感じています。
.
彼は3人兄妹の一番上でした。
.
2人の妹をもつ、兄妹唯一の男子です。
.
しっかりしていて、ちょっとお調子者で、冗談の好きそうな面白いお兄ちゃんでした。
.
「みんなをまとめられるからミッキーが好き」と答えてくれてなんだか将来大物になりそうな予感のする答えだなと思いました。
.
はじめて会ったのは6年前で、現在は11歳ですが、
これから小学校高学年になり中学生になり、
どんどんと大人に近づいていくのだなと思うと、
私もなんだか少し寂しいような、楽しみなようなそんな気持ちになりました。
.
私にはまだ子供はいませんが、
スタジオに来てくれるお子さんたちを見ていると、
成長具合が見えてきてこうして大人になっていくのだなと感動する場面も多いです。
そして自分もそうやって大人なっていったのだなとも思います。
.
私の好きな谷川俊太郎の詩で「さようなら」という詩があります。
自立していく少年の詩で、その一部にこんな文があります。
.
”よるになったらほしをみる
ひるはいろいろなひととはなしをする
そしてきっといちばんすきなものをみつける
みつけたらたいせつにしてしぬまでいきる
だからとおくにいてもさみしくないよ
ぼくもういかなきゃなんない”
.
.
これから様々な経験をし、感じ深みを増していくだろう彼の、今の姿。
それを残す親の愛情の形として写真館が存在しているのであれば、
私たちも親と同様に子供の成長を見守っていく存在です。
.
短い少年時代。
.
こんな姿もあったといつか振りかえるときに、ここで撮った写真が役に立てばいいな、と思います .

この記事をシェアする