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離れても。 [ライフスタジオ青山店 Kuroki Reiri]-194

投稿日:2023/2/6

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人間らしい写真館、ライフスタジオが最も重きを置くのは『人』


全体会議で、ファミリー顧客とは何か、という話がありました。わたしたち、ライフスタジオが最も重きを置くのは『人』であり、人らしく仕事をすること、人らしく生きていくことを大切にしています。だから私たちはいつも、商業写真館という形態ではありますが人と人としての関係性を作って撮影に臨もうとしています。写真館のスタッフとお客様、それだけで完結することもできる筈で(むしろその方が色々シンプルでラクかも知れません)、でも私たちはそれだけで終わることを良しとせず、敢えて非効率的でややこしくて正解のない、多様な関係性を作っていくことに飛び込んでいきます。きっと多分、その方が人間らしいから、でしょう。

全体会議で話をした時には、『ライフスタジオ』というこの組織における『ファミリー顧客』についての話をみんなで色々しました。

言葉の通り、家族みたいな繋がりを持ったお客様、とか、お互いの成長を喜び合えるご家族、とか。いろんな話が出る中で、ひとつ、

「お客様だけど、わざわざ労力をかけてくれるひと」という話が出ました。

例えば、スタッフが異動した時に店舗が少し遠くなってしまっても、そのスタッフに会いに来てくれる、そんな人たち。本来であれば『お客様』はサービスの受け手なのだからそんな労力をかける必要はなく、最寄りの店舗に行く方がずっと楽です。それでもわざわざその人のいるところに会いに来てくれる、そんな心遣いをかけてくれる人たち。そういう話をしながら、私はこのご家族の顔が浮かんでいました。

 

最初の出会いは、ライフスタジオ新横浜店でした。

マタニティのママさんと、2歳の姉と、パパさん。3人家族だった頃のこのご家族の撮影に、私はコーディネーターで入っていました。

再会は、ほんの数ヶ月後。実はマタニティ撮影の時に、当時ライフスタジオ新横浜店で行っていた生後半年以下のBabyを対象とした『New Birth Baby・ニューボーン撮影』をその場で予約してくださっていたのです。2回目のその撮影の時、私はカメラマンで、生後2ヶ月足らずのbabyを撮影するのに四苦八苦したものでした。当時のライフスタジオ新横浜店は、徹底的にベビー撮影に特化しようとしていた時期で、私たちが集中していることを知ってもらう為に『New Birth Baby』は(お客様がweb掲載不可でない限り)撮影した全てのご家族についてのフォトエッセイをFacebookに書き綴っていました。

もちろん、このご家族の撮影についても。

 

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(新横浜店Facebookより)

ほんの数年前には、お姉ちゃん自身もこんなに小さな赤ちゃんだったのでしょうし、彼女もまた、あと数年経てばこんな感じに成長していくのでしょう。いつも、いつも、赤ちゃんたちを撮りながら、その時間の流れと変化に思いを馳せてみたりします。
ー 中略 ー
ママさんのお腹で10ヶ月育まれて、生まれてきた小さなBaby。
生まれてからのその成長は、1ヶ月ごとでまるで変わっていきますし、毎日接しているパパさんママさんにとっては、あっという間に通り過ぎて行ってしまうものかも知れません。Babyにとって、毎日が刺激的で、大冒険で、色んな「あたらしいこと」に触れていく。彼女にとっては、身近にそれをどんどん見せてくれる「おねえちゃん」という存在もいるものだから、きっとめまぐるしく成長していくのでしょうね。

まだ生まれてから2ヶ月足らず。でも、きっともう、生まれたばかりの頃とも違うし、あと1ヶ月2ヵ月経てば、今の姿とも違ってくる。

ただただ『赤ちゃん』であったこと。その記憶、その記録。
きっと10年後、20年後に見返して、この時のパパさんやママさん、お姉ちゃんたちの気持ちにそっと触れるような、そんな写真であったら良いなと思っています。

Photo & Write by Reiri Kuroki
2016.02

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この文章を書いた日から、まだ10年は経っていません。

でも、この撮影以来、私は毎年彼女たちに会ってきました。

ライフスタジオ新横浜店で、ライフスタジオ横浜青葉店で、そして昨年からはここ、ライフスタジオ青山店で。

 

昨年は8歳と5歳ながら「なんか体格的に着れそうだから」とふたりとも着物での撮影となりました(その前年にW七五三の撮影は済ませているのですが笑)。ママさんも着物を着て来てくれて、でもママさんの草履が壊れかけてママさんがその場から一歩も動けなくなったりとか、近くでお仕事をされているパパさんは昼休暇で抜けてくるはずだったけど抜けられなくなっちゃって結局来れなかったりとか、子どもたちはそんな大人たちを尻目に着物でも相変わらず元気で、自由で、楽しそうだったりとか。

「誰も七五三じゃないのにみんな着物だなんて撮影も面白いね」と言いながら笑い合う、女子ばかりの撮影はとても賑やかで楽しい時間でした。

そして今年も、このご家族はまた青山店に来てくれました。

今回はパパさんもご一緒に、家族4人で。おそろいのTシャツを着て、子どもたちはふたりそろってランドセルを背負って。ランドセルの中には英語の発表でもらった賞状やメダルをたくさん入れて、相変わらず元気で、自由で、楽しそう。

小さなライフスタジオ青山店で撮るには随分とすらりとした、『少女』のスタイルになったふたり。ふたり一緒だとずっと無邪気に転げ回ってふざけ回る『姉妹』だけれど、それぞれひとりの撮影となると少し構えて、『姉』や『妹』ではなく、それぞれひとりの女の子としての個性が際立つところが、また面白い。あの日の小さなお姉ちゃんは、小さな赤ちゃんは、もうすっかり一人前の女の子の表情を見せてくれるようになりました。

今思えば、毎年毎回の撮影の度にすくすく大きくなっていく彼女たちを、私は色んな店舗で、その時々の自分の課題を持って撮影させてもらってきたように思います。

最初は『Baby撮影』でした。まだひとりで座ることもできない、うつ伏せさえもできない小さなbabyを75カット使って撮っていくこと。毎年の撮影で再会しながら、人間らしい関係性を作っていくこと。その関係性に基きながら、見守ってきた成長の過程への想いを込めながら彼女たちを表現すること、……今年は、この小さな青山店での2回目となる撮影を、如何に前回と違う写真で表現していくか、というのが密かな課題でした。彼女たちの個性を私からの演出的な表現と絡めながら写真にしていくこと、そういうことをしていく中で、『人間らしい関係性』は培われていくものでもあり、また必須なものでもありました。

いつも撮影をお任せしてくださるパパさん、ママさん。どう考えても、このご家族にとっては神奈川の店舗の方が近いのです。それでも、ごく普通に、青山店に来てくださることに本当に感謝しています。

「20歳になるまでは撮りたいから」、そんな話を昨年ママさんとしたのを思い出しました。大人になるまで、その記録をお任せしていただけるカメラマンとして、年に1回の撮影という時間に、私たちはこれまでの思い出を振り返りながら写真を撮ります。最初の出会いからの、記憶の記録。10年後、20年後に見返してもらえるような、そんな写真を残したいという想いは、多分私たちの関係性を繋ぐ大きな柱です。

2016年に書いた文章は、ただの写真館のスタッフとお客様、という関係から一歩踏み込んで、『わたしたち』という当時のBaby撮影に集中しようとしていた試行錯誤の取り組みを、人間臭いその想いを『言葉』という形にしました。それに触れて、『お客様』というサービスの受け手であるだけでも十分だったご家族は、いつしかわざわざ離れた店舗にまで足を運んでくださるような、そんな労力をかけてまで会いに来てくださるご家族になりました。

 

ファミリー顧客ってなに?と、聞かれれば、色んなご家族の顔が思い浮かびます。それぞれのご家族との関係性は、いろんな表現で言い表すことができますが、根底に流れるものはきっと同じ。ただ『人間らしく』、それに尽きます。その人の為に労力をかけることが苦にならないような、それでも会いたいと思えるような、そんな関係。【離れても必ず会いに来てくれるひとたち】

ごく自然にそうしてくれる、このご家族はそんなひとたちです。その気持ちに報いたいと思えばこそ、私たちの関係性は繋がり続けてきました。それはきっと、人間らしい、人と人としての繋がりだと、そう思えます。

 

また次に会える時の為に、私はまた準備をします。わざわざ会いに来てくれる、そんなひとたちの気持ちに報いられるような、アップデートした自分で再会できるように。今年の撮影も、とてもとても楽しかった。また次回、再会を楽しみに、お待ちしております。

ライフファミリー


「あなたに会えてよかった」
これはお客様と私たちとの宝物のような出会いの記録。

このかけがえのない関係がこれからも続くように願いを込めた、私たちからのラブレターです。


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美しさを表現し、思い出を記録する、楽しい遊びの空間

人生の写真館ライフスタジオという名前に込めた想い。
それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
家族の絆とかけがえのない愛の形を実感できる場所として、
人を、人生を写しています。

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