店舗フォトジェニック集
Photogenic
小さな足に残る甘い証拠。
投稿日:2025/8/30     更新日:2025/8/30
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LIFESTUDIO AOYAMA
photo:gomei
写真というものは、多くの場合「顔」を中心に残していくものです。
笑顔や表情はもちろん大切ですが、それだけでは語りきれない時間があります。
スマッシュケーキの撮影中にふと目に飛び込んできたのは、自由に動いた足に付いたクリームでした。
そこには顔以上に雄弁に、子どもの世界が刻まれていたのです。
足にフォーカスしたこの写真は、一見すると“主役が写っていない”ように見えるかもしれません。
しかし実際には、顔を写さないことでかえって想像力が広がり、母や家族の心の中でその瞬間が鮮やかによみがえります。
ケーキを握りしめていたのか、前に身を乗り出していたのか、夢中になって笑っていたのか。
答えは写真の外に委ねられていて、その余白こそが物語を豊かにしてくれます。
カメラマンとして、この一枚は「どこにピントを合わせるか」が持つ意味を教えてくれました。
いつも顔に頼るのではなく、体の一部や偶然生まれた動きを切り取ることで、より自由な表現が可能になります。
特に子どもの撮影は予想できないことの連続だからこそ、あえて流れに身を任せて撮る勇気が必要です。
そうすることで、予定調和ではない“本物の瞬間”が残せるのだと思います。
この写真を見返すと「足にもクリームをつけるほど全力で遊んでいた時期」が愛おしく感じられると思います。
けれど同時に、スタッフやカメラマンにとっては「顔を写さない写真の可能性」に気づかせてくれる一枚でもあります。
記録でありながらアートの要素を持ち合わせ、見る人によって意味が変わっていきます。そんな奥行きのある作品に仕上がりました。
小さな足についた甘い跡は、単なるハプニングではなく、家族にとっての未来への鍵です。
顔を見せない写真には、写っている以上のものが映り込んでいます。母が思い出す声や笑い、父が心に残す匂いや空気感、そして撮影する側が偶然に出会う奇跡。それらすべてが余白に折り重なり、写真はひとつの物語へと変わっていきます。
小さな足のクリーム跡は、その物語の最初の一行なのかもしれません。
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