フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive

「静」

投稿日:2014/6/27

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urayasu photo by Koide, coordinator by Okamura



以前から言われていたことがあります。
私がカメラマンだったら一緒に入るコーディネーターは緊張するだろうと。
 
 
長年コーディネーターを勤め、本当に沢山の写真を見てきました。
浦安店の玄関のインテリアの特徴も、浦安店のカメラマンたちがそれをどのように撮影しているかも。
私はずっと見てきました。
だからこそ、それから生まれる数多くの写真の中に、目標とする写真がありました。
私がそこに足を踏み入れることは新しい世界の始まり。緊張感、高揚感、様々な思いがありました。
 
 
私はコーディネートに対する哲学を持っています。
そしてそれを真の意味で理解してくれている人がいます。
撮影において、カメラマンとコーディネーターの関係性の重要度は撮影者は誰もが実感しているでしょう。
互いに信頼し、理解し、だからこそ一緒に作り上げていける関係性を。
 
 
以前、「色」について報告書をまとめ、発表したことがあります。
配色の種類、色の分量、イメージや効果的な使い方などです。
浦安店の玄関は白と青のコントラストがはっきりとしていて、インテリアと衣装の色使いを整理することができます。
シンプルな白いワンピースと、あえてアクセサリーは付けずに、
カールが特徴的な彼女の髪を活かしたヘアスタイルは、より一層彼女の魅力を引き出してくれました。
インテリア全体像の中に居る彼女を見て、それを把握したコーディネーターは
ドアと同じ青色のギターを何も言わずにすっと渡し、色の統一を考えてくれました。
 
 
この写真は
インテリアを広く写し、青と白を印象づける「静」をイメージした写真です。
青色には、冷静、若い、爽やかといったイメージがあり、興奮を抑え冷静にさせる心理的作用があります。
つまり、知性や冷静を感じさせてくれる色です。
玄関に立つ彼女にギターを持たせ、何も言わずに視線を落としてもらうことで
色の持つイメージだけでなく、そのポーズや表情からも「静」のイメージを引き立てました。
 
適度な明かりを入れるために、少しドアを開けることにしました。
被写体よりも後ろから光を入れることによって、彼女の顔にきれいなグラデーションが落ちています。
手前に立たせた彼女には特に光を当てず、主体である彼女自身を少し暗く重みを持たせた色合いにしたのは
もちろん、「静」を表現したかったからです。
 
 
「静」を表現すべく用意し提示した要素。そして、色を理解したうえで整理された色。
 
整理されているものは心地がいい。
心地のいいものには、理由がある。
理由があるから、説明が出来る。
 


私が目指す写真が見えてきた気がした。







 

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