
この写真を撮る時にアシスタントとして気をつける点は、いつも親の前で見せる姿やその子が今感じていること、思っている事を考えながら対していくこと。
この子はどういう表情でいつも人と接しているのだろうか、どんな風にしてどんなことをしていつも遊んでいるのだろうか、物を見るときの真剣な表情だったり、一瞬のしぐさだったり。その一つ一つがその瞬間をこちらが見ることが出来るだろうかと。または、その子の考えている事が表面に引き出せるかということ。その考えが私たちの目にも見える形で表現できるだろうかと。
だからその一瞬のしぐさだったり、目線だったり、口調だったりを思い描きながら接してみる。
時には押してみたり、引いてみたり、兄や姉になってみたり、友達や先生になってみたり、おじいちゃんやおばあちゃんになってみたりしてその子の反応を見ていく。
子供は常に色々な刺激を受けて生きている。目から耳から鼻から舌から感触から感覚から常にたくさんの刺激を周囲から感じ取っている。その刺激というものを素直に表現する。だからその一瞬一瞬に嘘が無く、そのままを映し出すことが出来る。
でもそれにはカメラマンとアシスタントが一つにならないとそれは残せないカットになってしまう。だからカメラマンとのコンビネーションがとても大事。
この写真にはそんな彼の考えや思いを皆に表現してくれているのではないかと感じる。