フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive

バランス

投稿日:2009/10/26

197 2

人が良さを感じるのに色々と理由があります。写真でも同じことが言えると思います。 「かわいい」、「雰囲気がいい」というのは一種のイメージであってその写真の本質の部分を伝えるには少し物足りなさを感じます。ですので当然作り手側としてもそれを正確に説明する責任というものが発生します。受け入れられるか受け入れられないかは別として。 写真を撮るという行為にある一定期間身を置くとバランスというものに集中することになります。光のバランス、色のバランス、配置のバランスなど。絶対的にこれしかないという100%のバランスなどは存在しないかもしれません。ですが必ずCMや雑誌の一面に顔立ちが良いモデルやスタイルの良いモデルを起用するのと同じように多くの人が良さを感じる普遍的な良いバランスというのは存在すると思います。 この写真もバランスというものに集中して見てみることにします。まずは色。彼女が着ている着物が赤という個性の強い色なだけに何も注意を払わず撮影をしてしまうと彼女以上に着物がメインになってしまう写真になる可能性が高くなります。ですのでその色を少し和らげる為に他の色を求めることになります。赤の補色にあたる緑があるバルコニーでの撮影は適しています。ですがまだ赤の割合に対して緑の割合が少ないので他の色も必要になってきます。下の部分にある黄色が入る事により初めてバランスが整うことになります。 また写真をずっと眺めていると流れを見つけることができることがあります。写真の骨と言うのでしょうか。右上から左下に流れるイメージが見えますか?風の影響を受けた天蓋を見るとその流れを見つけることができます。ただその天蓋だけを見てもそのイメージを伝えるには少し弱い気がします。ではそれが他のどの部分にあるのか。被写体の首の角度と手に持っている花の位置がその同じ様な流れを感じさせてくれてはいませんか?もし違う角度で首を傾げていたら。。。このイメージを伝えるのであればこの角度で首を傾げこの位置で花を持ち見ていなければいけないということになります。 色と流れのバランスこの二つがうまく調和したのではないでしょうか。

この記事をシェアする