
この写真からなかなか目が離せないでいる。
撮影に携わった者だからと言われてしまえば確かにそうかもしれないがしかしそれを省いたとしてもおそらくそれほど変わりはない。
その理由は何か?
光や構図、そのような技術的な話ではないことはすぐ察しがつく。
一枚の写真を見た時に「あっ」と思ったとしたらそこには何か大きなものが隠れているに違いない。それこそがこの写真の本質なのであろう。
こういう形で整理をつけてみた。
「稚い体にも潜んでいる力強い意志」
振り返れば撮影中の彼女も確然たる意志を持っていた。誰に左右されることもなく常に一つ一つ自分に降りかかる自称を冷静に判断する。
その彼女の姿がこの写真を見ていると真っ直ぐに伝わってくる。
窓から強烈に差し込む光は彼女の意志をより強く確固たるものにする。力強さを表すのであればこのくらい大胆で強い光が丁度良い。
同じく強くしっかりと花を握りしめたその右手は伝えたいイメージを後押ししてくれる。
しかし何よりもそのイメージを正確に伝えているものは天を見上げ真っ直ぐと一点を見つめている彼女の真剣な眼差し。もしこの写真が満面の笑みであったら?しっかりとした先を見据えたこの表情だからこそ良い。
全てのものが偶然にも調和したからこそ生まれたのであろう。