
子どもは、大人の考えの及ばない自分だけの世界を持っています。
それは常に現れていたり、ある時だけ現れたり。
部分的には想像できたり、共有することができるかもしれないですが
しかし大人がどんなに望んでいてもそのすべてを捉えることはできない気がします。
この写真は
彼女が持つ彼女だけの世界を
垣間見ることができる写真ではないかと考えます。
この写真を決定づけているのは
彼女の手のしぐさです。
意味ありげに不自然に伸ばされた彼女の腕や手の形が
観る人の興味を引き、彼女の世界に入り込んでいるような感覚を呼び起こします。
心地よい視線の流れを生んでいる頭からお腹へのラインとそれを保管する髪の毛
シルエットのように体の形を強調し中央に配置したフレーミングおよび柔らかいライト
中央部から周辺部に微妙に変化している青みがかった白の漸次的変化
その青味がかった光と対照的な優しく穏やかな淡いピンク
構図にバランスと安定感をもたらしているチュチュスカートと帽子の花
それらは手のしぐさおよび彼女の存在感を強め
適度に強調された要素その集合は、一層観る人を引き込みます。
若干作為的ですが、彼女の世界の一部分に触れることができたのではないかと思います。