
良い写真の概念化と定義はとても難しい。
しかしあえて良い写真を定義、概念化させてもらえるならば
その中の一つに「メッセージが伝わる写真」というのがあると思います。
メッセージを伝えるというのは写真の横にキャプションつけて説明する事ではなく、
写真の構成要素で視覚情報としてある種の感覚を伝えるという事です。
伝わる人にしか伝わらないモノではなく人間がみな共通して持っている諸感覚に訴えかける事。
それが良い写真が持っているひとつのパワーだと思います。
今回の写真については被写体の存在感をどう表現できるかについて考えながら撮影を行いました。
望遠で中距離から被写体をフレームいっぱいギリギリまで入れて撮影しました。
若干傾ける事でフレーミングに余裕ができました。
被写体のサイズにも関係すると思いますが、少し傾ける事でひとつのフレーム上にひとつの流れ(右上から左下にかけて)が出来ました。
左手の方向と視線もその流れを強調または補強しています。
フレーム内に被写体を大きく配置しながらもその流れで狭苦しい感覚が出ないで済みました。
ライティングについてですが逆光で被写体の周りに光の筋が出来るように撮影しました。
「後光が射す」などの言葉にあるように逆光は人間が神秘性や威厳等を感じ取りやすい光源です。
シャボン玉に逆光がきれいに映る事によって魅力的な色を発します。
いままで子供の写真を撮る際にいかに余白やスペースを作るかを考えていました。
その理由は子供の小さい存在をフレームの中で表現するにはインテリアに比べて相対的に小さく配置するしか方法がないように思われました。
しかし今回の写真を見ながら存在感と小ささはデザインや構図的に同時に表現できる可能性があるという事を知ることができました。
極度の制限と自由を両立させる事にも繋がっていると思います。
僕が伝えたかった事に対して異論もたくさんあると思いますのでコメントよろしくお願います。