
彼女は洋服がたくさん飾られている衣装棚に向かい、一枚一枚洋服を取り出そうと手を伸ばした。
まだ一歳になったばかりの彼女の洋服を見るキラキラとした瞳と横顔。
私はそんな彼女から女性「性」を感じたのと同時に、
洋服を取ろうと好奇心の赴くままに力いっぱい伸ばした腕と、
背伸びをした小さな足から、彼女がまだ1歳であることを再確認した。
窓から煌々と射し込む自然光を彼女に当てるために、
カメラの位置を計算し被写体の前にパーテーションを置くことによって、
写真に奥行きをだし彼女の存在感を際立たせた。
そして何を着ようか悩み、一生懸命選びだした彼女の手にはお気に入りの一枚が、大切に握られていた。