
着物の撮影は、帽子やカチューシャができない、ストールができない、座るとき着物を整えなくてはならない…
カジュアル撮影と比べるとそういった点で制限を感じる。
昔ならではの日本の着物の写真はラインを美しく、全身を入れてカメラ目線―これらが無意識の中で大きくなっているのではないか。
もちろんそのような写真が悪いわけではなく、必ず一枚は捕える義務がある。
青山店には和室や畳はない。それにより着物撮影に支障があるかどうか、ずっと曖昧な認識でいた。この一枚を見ていると自分の中でモヤモヤしていた部分が消えていった。
人々の行動を支配するものは固定概念で、それによりマインド、肉体全てががコントロールされている。口では、和室は要らないと言いつつも、もしかしたら和室を用意することでうまくいく気がしていた。 和室があるからバリエーションが増える訳ではない。
この写真の緑と赤は白い背景だから生きている。またこの様子を全身を入れて撮影していたら…
着物だから、アレンジか少ないではなく、頭を柔らかくして柔軟な考えを養う、被写体にあわせた選択が必要だ。