
レンズを通して見る、小さなフレームの内側で、子供に自由に自分の時間を過ごしてもらう。
ここでは望遠レンズを使い、被写体とある程度距離を置いているため、カメラマンと被写体との直接のコミュニケーションは無い。
それでも、そこにあるおもちゃを自由に手に取り、遊びにふけることができる、安心した空間を作り、共有することで、被写体との「連携」というものを少なからず感じる。
その中で、被写体のわずかずつの表情の変移、指先の動き、視線の流れなど、様々な要素がフレームの中で、絶え間なく、流れるように変化する。その流れの中に、とても素敵なバランスが隠れているものだ。
カメラを持つようになり、ある程度冷静に被写体について観察できるようになると、その動きをある程度予測できたり、被写体が放つ、オーラのようなものを感じ取れる余裕が生まれる。
そこには、今までは見逃していたかもしれない、魅力的な瞬間が見えてくる喜びがある。
「あ…」という何か、自分の感覚に引っかかるものを見た時に、すばやく体が反応し、シャッターを切れるということ。
写真はあるいは、スポーツのようだと感じます。