
被写体の持つ空気を表現することがカメラマンの役割である。
被写体の魅力が最大限に生かされる表現の方向と、カメラマンが表現したいもののその方向が同じであると良い。
どういう光がその子にふさわしいか…と考えた時に、偶然そこにあった光というよりは、どうしても座らせる位置、遊ばせる位置を誘導して区ことになります。
真っ白な部屋は色が無い分、光の存在と、その子供の存在を際立たせる。
この子の場合は、平坦な順光でもなく、サイドからの光で影を強調するのでもなく…
ママの持ってきてくれた洋服は、さらさらと繊細で光をやわらかく通す素材でした。
その質感を、後方の窓からこぼれる光で浮き立たせようと思いました。
フレームの中に入り込む要素たち、洋服や壁の質感、そして光が味付けをして。
料理で言えば、まさにそれぞれの素材の味が引き立つ、「いい塩梅」を探す事。
集中し、観察し、それを探さなければなりません。