
屋外での撮影は光の質という意味では室内のそれと全く異なる。
人の力ではどうこうできない絶対的な力。
だからこそ光を見るのが楽しいのかもしれない。
そしてそこに工夫を凝らすのもまた楽しい。
カメラマンは贅沢な仕事だと思う。
被写体の魅力を探す権利と
空間を作る権利とを与えられ、
さらにたくさん出会う被写体から教わることもたくさんある。
この写真はきっとこの子とでなければ見つけられなかった光、雰囲気、場所、構図に溢れている。
そしてカメラマンを自由にしてくれるアシスタントの存在にも感謝する。
そこにあるものに気が付けるかどうか。
カメラマンの技量の一つだと考える。
たくさんの情報に目が眩んでいる中で、そこに埋もれている「美」にフォーカスを合わせる。
しっかりとピントを合わせるにはたくさんのことを知る必要がある。
様々な世界が存在し、
異なる価値観が存在すること。
そして一人の視界はとても小さいこと。
1枚の写真と向かい合っていると具体的な構成要素よりも先に精神面について思いを馳せてしまう。
僕の悪い癖であるが。
世界に平等に降り注ぐ光の中で明暗の美しさを作ることを教わって自分の目で見てそれを見つけることができた時の1枚。