
被写体に会ったら被写体を理解し、イメージを写真にしながら、最後の撮影までの段取りを頭のなかで組み立てていく必要があります。
何才だから、男だから、女だからという概念に縛られてはいけません。
その概念は被写体に制約を与え、フォトグラファー自身にストレスを与えてしまいます。
(もちろん、出来るかどうかはやってみないと分からないことですが、見極める能力が必要です。)
毎日同じ場所で撮影をしていると、当然ながら似た写真が出てきます。
もちろん私たちは商業写真を撮っているので基本の写真を残すことは大切なことですが、
時には被写体を理解し、イメージを作り上げていくことも必要です。
おっとりとしながらも芯のある2才の女の子でした。撮影を進めていくなかで、
彼女のイメージと、それを表現するポージングを作っていきました。
静かながらも真っ直ぐにひた向きな彼女の姿…
彼女にはこの紺色の誠実そうなワンピースが似合っていました。
私は、ここ見てて!と彼女に声賭けをしました。
彼女は言われたとおりに下に目線を落とし、何かをじっと思いつめるように考えています。
落ち着いた紺色のワンピースとしっかりと本を抱えている両手には強い意思が見えてきます。
足をそろえて行儀よくそして、何かを訴えるかのように片足にぐっと力を入れゆるぎない意思。
飽きないように数秒だけこのポーズをしてもらいました。
ほんの数秒の出来事であったこの写真。
『地球温暖化を考える』
モニター時にパパさんから出てきた言葉です。
幼いながらも将来をじっと見つめながら不安と使命感を持って明日を考える。
そんな一枚が誕生しました。