
.
―人は、なにを隠しているのだろう―
.
私は、被写体に近づく。
なにかにぶつかり、向き合い、探りつつ。
そこにあるたくさんのバリケードは魅力的だ。
人は、大人だって、子供だって、誰かに近付くとき、
誰かに近付かれたとき、何かを急いで隠すのだ。
カメラマンと被写体、人と人、その間に存在する何かは様々なようで、
好奇心、遠慮、ためらい、照れ、恥じらい、恐怖、試練、喜び、怒り、哀しみ、楽しさ、思いやり、、、
そこから、とっておきたいものと、いらないもの。
乗り越えたいものと、引き出したいもの。
そんな駆け引きに似たやりとりをしていたのです。
.
---------------------------------------------------------------
.
「人見知り」
ここまで近づくことを許してくれた彼は、
1時間半の撮影で「強く」なってくれました。
彼が、疑問や恐れを感じながらも、
ママパパの楽しそうな雰囲気を信じ、
バリケードを薄くしていってくれたこと。
私は変わりゆく彼を撮りたかったのです。
.
ピントが合わなくなるまで近づきたい、抱きしめたい。