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いつも「どうして私はこの写真を撮ったのだろう」ということを考える。
毎日積み重ねる撮影はインプットばかりで
やはり、こうして文章にアウトプットする時間がカメラマンには必要なのだ。
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この写真の子は、バレリーナの格好をして本当に嬉しそうだった。
来店時のボーイッシュな第一印象とはまた変わり、
あの日、私の目の前で陽の光を浴びながら
自由にクルクルと踊るその子に、私はずっと恋をしていたのかも知れない。
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自分が女だからということもあるのかもしれないが、
女の子を撮る時の被写体への感情移入は、
男の子を撮るときとは違う種類のものであることを自覚している。
洋服ひとつで、バレリーナにもお姫様にもなれてしまう彼女たちは、
口調や目つき、仕草まで変わってしまう。
そんな女の子ならではの気持ちが少なからず分かるからこそ
一緒にお話をしながら、遊びながら、踊りながら
彼女たちと共に過ごす時間の流れに身を委ねることが
私にとって本当に心地いい。
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そんな撮影中の自分と、撮った写真を見て改めて対話をしてみる。
自分自身との対話は、インプットであると同時にアウトプットでもある。
それを繰り返すことで、自分が本当に見たいもの、撮りたいもの
自身の求めるべき判断基準に近づくことが出来る。
カメラを構える上で、そういった自分の中での確かな動きを大切にしたい。
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頭の中をまとめ、普段中々到達しきれていないところまで
考えを巡らし、そして他者へアプローチする。
写真というものは、そんな可能性をも持ち合わせている。
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