
日本には四季があり、それぞれが独特の匂い、趣を持っており、
それも、単に春夏秋冬の4つではなく、夏の始まりの感じ、とか、晩秋の深みのある匂いなど、季節の表現はさまざまです。
その、季節の細やかな違いを匂いや、肌に感じる時、何とも言えない晴れやかな、または落ち着いた気持ちになります。
去年や一昨年も、おそらく同じように感じたであろう、そういった感覚を感じる時は、自分自身の存在を自然と再認識させる瞬間でもあります。
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薄紫色のワンピースに着替えた時、ちょうど、玄関は光がきらきらと壁にぶつかる時間だったので、それがすごく似合うんじゃないか、と思って1階に下りました。
とても素直だけれども意志を持った、その2歳の女の子が、貝(夏という季節を象徴するような)を手に持ち、その場所に行きます。
その場所で自由に動いてはふと立ち止まる姿を見ながら、華やかな夏の終わりの、少―し、せつない空気感を感じました。
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この2歳の女の子にとって、たぶん2回目の夏で、去年たった1回、それも少しだけ経験した夏の事でも、なんとなく記憶として残っていたのではないでしょうか。