フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive

原本の可能性

投稿日:2010/9/30

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. . 毎月、カメラマンとして自分の中で目標を持って撮影に挑んでいる。 先月は「光をとらえること」だった。光を重要視し、その光から生まれる世界観に被写体を存在させることで、その時間、その光、その天候、その被写体でなければならないという、必然性を表現することに注力した。 そして、今月の目標。それは「同じ被写体、同じシーンからフォトジェニック(ベストショット)を複数あげる」ということ。今月はその目標を掲げることによって、自身の原本のレベルアップを計ってみることにした。 . 私たちは75カットという決められた枚数を原本CDに焼いてお客様に手渡している。 その決められた枚数の中で、なるべく多くのバリエーション、そしてストーリー性のある写真を撮るように心がけている。 以前、とあるカメラマンが言っていた言葉が強く私の中に残っている。「カメラマンの実力はフォトジェニックにあげる一枚の加工された写真だけでは分からない。原本を見なければそれは見えない」という言葉だ。それを聞いてから、私は本当に原本の意味を深く考えるようになった。1枚の写真ではなく、75枚でひとつの作品であるような、組写真としての写真の可能性を・・・。 だからこそ、今回は組写真としてのフォトジェニックを呈示してみることにした。 . 彼女の魅力を最大限に引き出し、見慣れた日常から一歩出た彼女の持つ美しさを表現したかった。第一印象から笑顔が本当に可愛かった彼女だが、私は時折見せるうつむいた表情や、何かに集中している表情、私に少しずつ心を開いていく過程に被写体としての魅力を感じずにはいられなかった。ドレスを着て、光に包まれ、ゆっくりと紡がれていく彼女のストーリーに、私も心地よいリズムでシャッターをきっていったのを覚えている。 . もしも、私が彼女の写真で個展を催すとするならば、白い壁を贅沢に使って、写真同士の間隔にも撮影時のリズムを取り入れながら展示がしたい。そしてそれを彼女が見たときに、一瞬を切り取ったこの原本写真から、あのゆったりとした時間の流れを、キラキラとした陽の光の暖かさを思い出してくれることを想った。そしてそれが、私が原本から感じた組写真の可能性であった。 . .

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