
「らしさ」
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2歳の撮影は一般的に2通りのタイプに分かれる。
1つ目は何事にも好奇心旺盛で色々な事に興味を持つが、
次々と目移りが激しく集中力が散漫しやすいのが特徴だ。
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2つ目として1つ目とは正反対のタイプで集中力が非常に高く、
集中してしまうと自分の世界にはいってしまうのが特徴だ。
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この日の男の子は2つ目の集中型タイプだった。
彼はトーマスや電車や車が大好きで、
スタジオに来てもすぐ赤いバスや車に興味を持ち、車遊びに熱中し、
静かで若干人見知りのある男の子だった。
ただ車遊びしている彼の表情は,
私達と歌ったり遊んだりしている時より格段と良い笑顔をしていた。
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3Fの白い部屋での撮影に向かうと、
彼は大理石の床で赤いバスを走らせ嬉しそうに遊んでいた。
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その姿を見た瞬間、
「その子らしさを表現しよう」
という私の心がけがふと頭によぎった。
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そして、私はアシスタントに彼を呼ぶのをやめさせ、そのままの自然な姿を記録しようとした。
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その瞬間夏の光が彼を照らしている事に気付き、彼の陰影が浮かび上がった。
美しい光に私は夢中でシャッターを切った。
夏の光でしか表現できない影。
あたかもシンメトリーのような上下の世界が存在していた。
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男の子らしさ、2歳児らしさ、彼らしさを表現した一枚である。