
重なり合う身体は、
いつだって優しくぬくもりを伝え合います。
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この写真を見ていてやすらぎを感じるのは、ふたりの間に確固たる何かがあるからだと思います。偽りではない何か。他人には計り知れない何か。
それはきっとこれまで培ってきた想いやこれまで育んできた思いやり。
そして、これから重ねていくであろう記憶や思い出。
そういった形のないもの。
且つ、第六感で察知する、確かにそこにあるもの。
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そのぬくもりが人を魅了する要因のひとつになるのだと思いますし、そのぬくもりを求め、僕たちは生きていくのだと思います。
極端な結論かもしれないですが、それもひとつの真実だと感じるのです。
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僕がここで表現したかったのは、柔らかいふたりの力です。
妹emanaの、兄maotoに寄り掛かる圧倒的に柔らかな力、抱き付く手のしなやかさ、そして大きく傾く身体の曲線とその重心、瞳の優しさと口元の微笑み…
そんなかわいい妹を一手に受け止め抱きしめる、maotoの肩を抱き寄せる男らしい力。そのぬくもりと優しさ。
そのぬくもりと優しさをお互いに受けた、やすらぎと安心感に満ちた世界。
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抱きしめる強さ、柔らかさ、あたたかさ。
寄りかかる強さ、柔らかさ、あたたかさ。そのすべてがここにあると思ったのです。
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そう感じながら、写真を撮りました。
左右から少しずつ入れた光の強さも、柔らかさも、あたたかさも、うまい具合にふたりがいる空間のド真ん中で、混ざり合っているように感じます。
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僕は、ふたりの力の入れ具合、というか、力の抜け具合、というものに異常なほどの魅力を感じました。
ですが、このふたりの魅力は僕が引き出したものではありません。
ふたりが最初から持ち合わせていたものです。
ですから写真を撮ることは簡単でした。僕はただ正面から写しただけです。
ですので、そういった意味で、技術という面では劣るかもしれません。
写真的な技術や、撮った写真を後で加工する魔法の様な技術は今の僕にはたいしてありません。ですが、僕が込めた思いというものは、ふたりにも、ふたりのご両親にも伝わったと思います。
僕は、maotoくんとemanaちゃんのパパとママにお願いをしました。
また来てくださいね。絶対もっと、写真うまくなって待っていますからと。
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今の僕に足りない技術は、心で補える。
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一歩ずつ技術を磨き、同時に、僕は僕のハートに火をつけて、出会う人たちの心に、ぬくもりを伝え続けていきたいなと思います。