
女の子を撮るときと、男の子を撮るときの心構えというものは僕の中では大きく違います。
.
このくらいの年齢の男の子は、とにかく子どもらしく活発であれと、願うのです。もちろん、子ども=活発的だとは決めつけたくないですし、思わないのですが、多少言う事を聞かない「やんちゃさ」を持っているくらいの方が自分的には得意分野だったりします。
お兄ちゃん扱いを少しずつ周りから受け始めたとはいえ、一から十まで、全てのことをちゃんとなんかしなくたっていいのです。
幼稚園なり保育園なりに入って、初めての集団生活の中から、子どもたちはいろいろ言葉を覚え、友だちもどんどん増えてきて、ハサミが使えるようになったり、鬼ごっこを覚えたりします。せっけんで手を洗うことが習慣化され、物を借りるときは「貸して」ということができるようになってきます。ペースは人それぞれですが、そうやって、できることが日々増えていくのです。もちろん男の子だって、人見知りの子も照れ屋の子も、内弁慶の子もいるけれど、どんな子もきっと、何かをやりたいと思う好奇心を持って生きているし、その好奇心が、人を、男の心を強くするのだと僕は思っています。
.
だから、何かを始める前に子どもの行動を止める必要なんてないのです。やって失敗して、怒られて怒られて男の子は成長していけるのです。他人を傷つけるようなことと、誰かの迷惑になるようなこと以外は、自分の心のままにやっていけばいい。僕は、そう思います。
男はきっといつの時代も、Don’t think,Feel!だし、Boys be ambitious!なのです!
.
.
.
靴を履いて外に行こうとするこの4歳の少年もまた、この春入園式を済ませ、新しい人生の門出を迎えたのです。そして、この写真は全くのイレギュラーな一枚でした。僕はここで撮るつもりなんて一ミリもなかったのです。だけど、そのときの彼には、そのことしか頭になかったのだと思います。
.
.
.
「三輪車で遊んでくるッ!!!!」
.
.
.
スタジオの玄関先に置いてある三輪車の乗り物に向かおうとする少年のキラキラとした眼差しは、僕の本当に求めている彼の姿だったのかもしれません。
.
やってみたい。乗ってみたいという、好奇心むき出しの彼の表情。
こういう瞬間があるから、僕たちの心も彼らと同じようにウキウキするのだと思います。