
障子の隙間をそっと開き始めた彼女。
誰の指示でもなく、障子の前に立ち、小さなその手で窓の外を少し背伸びして見つけていた。
「何かいた?」という大人たちの問いに対して彼女は無邪気に「うん」と微笑んで
再び窓の外を背伸びしながら嬉しそうに眺めていた。
窓から見える景色は少し車が走っている程度の細い道路だが、彼女の瞳は明らかに何か遠くの世界を眺めているようだった。
小さなその手で、今この瞬間も少しづつ、でも確実に大人への扉を開けている。
「この扉を開けたらどんな新しい世界がみえるのだろうか?」
そうつぶやきながら、少しづつ大人へ近づいてゆく。
それは、きっと大人になった私たちにも同じことが言える。
新しいものに対して少し怖さや緊張もあるが、それでも、この先に何があるのだろう?と考えるとワクワクもする。
常に、新しい発見や自分や人との出会いを大切にしていきたい。
そんな、緊張と背伸びをした好奇心が表現されている一枚だと思う