
撮影をするうえで、モデルに指示を出してポーズを決める。モデルをよりいっそう美しく表現するための知識や経験ももちろん必要だ。
だが、この撮影に関しては一番大切だと感じた部分は「それだけじゃない」という事を彼女に教えられたような気がする。
彼女の世界や目に見えるもの。目に見えるすべてのものがきっと、私たちが知る世界とは異なる世界で、「どうして?」「あれ、なあに?」そんなワクワクが溢れている。そんな発見をする彼女の姿。そんな姿も含めて「成長の姿」なのであれば、そんな「等身大」の彼女の魅力を残したいと思った。彼女のペースにこちらは「そっと見守るように」入り込んでみる。
同じ目線で、同じように世界を少し違う形で見つめてみる。
彼女の時間をそのまま閉じ込めたいと感じた。
大きく膨らんで静かにふわりと宙に舞い、降りていくシャボン玉。そんなシャボン玉を割れないようにそっと優しく触れようとする仕草。
今の彼女にだから生まれた仕草。
そんな成長の過程を残していく。
その子にしかない物語を撮影というカタチで読み解いていく。
こんなに楽しくて刺激的な毎日はない。
そう感じさせてくれた撮影だった。