
ふわりとそよぐ優しい風が少女の頬を優しく撫でる。遊びに夢中になる少女に風は気がついて欲しくて、少女の帽子を飛ばそうとしました。
少し慌てて帽子が飛ばされないように小さなその手は帽子を抑え付けてながら、振り向きました。
「・・・あなたは・・・誰?」
振り向いた少女のあまりに透き通った美しい瞳に、思わず風は恋をしました。
撮影現場は室内であったが、私はその瞬間確かに「風」を感じた。砂遊びに夢中になる彼女に気がつかれないようにそっと、帽子をのせる・・・。
その瞬間の出来事。本当に一瞬の出来事。
この瞬間、一瞬「時が止まった」かのように感じた。偶然の中の「必然」とも言える瞬間。この「瞬間」を狙うのは本当に難しい。いつ何があるか分からない「シャッターチャンス」。時々、「このまま誰か時間を止めて!」と願いながらファインダーを覗き込んでいる。
びっくりして振り向いた彼女と目があった瞬間。私はまさに、「時が止まった」かのような不思議な感覚に陥った。そして、そのまん丸な、美しい瞳に恋をした。
限られた枚数の中で、常に思うこと。
「忘れられない一枚を必ず収めたい」。
そして、「物語が自然と生まれてくる一枚を残したい」。そう思いながら、私は常に、狙っている。その「瞬間」を絶対に逃さないために・・・