
オムツを履いている子が細身のパンツを履くとたいていの場合こんな感じのシルエットになります。でも、このこんもりした下半身こそ、このくらいの年齢の子どもたちの姿として「かわいさ倍増」の立役者になってくれる、かなり大きなポイントのひとつなのではないでしょうか。
凛とした立ち姿とは程遠いように見えますが、彼が彼の全力を出して、地に足をつけ前を向いている姿には、はかない命の尊さや未来を生きていく小さな力強さを感じさせられました。
私が出来るのはその立ち姿を少しでも大きく、より勇敢に見せることかなと瞬間的に思いました。ですので目線よりもやや下からのアングルで彼を捕らえました。すると私の右目が天井の壁の斜めのラインと、彼の伸ばした右手のラインを平行に捉えました。美しいと思えるラインを写真の中に見つけること、これは私の中で美しいと思える写真の要素のひとつとして挙げられるものです。縦、横、斜め、いろいろなラインに縁取られたこの空間の中で、ただここではそこに重きを置くつもりはなく、結果これらは些細な要因にしか過ぎません。ですが伝えたいものをよりよく見せる方法を、私たちは常に考えなければいけません。
人物の位置や相対的な人物の大きさ、比率も、私の場合、自分の好きな位置や大きさ、比率があります。決まりきった殻からの脱却を計るべきなのかもしれませんし、それこそ今の私が集中すべき第一歩なのかもしれませんが、シンプルに人物をど真ん中に配置したフレーミングで、ラインというものを意識してシャッターを切りました。