
ウェディングドレスのベールにはこんな言い伝えがあります。
白く透き通った光のようなベールは、今までの花嫁様を守っていた光の壁のようなもので、式中に新郎様がベールアップをする行為は「これからはこのベールの変わりに私があなたを一生お守りいたします」という誓いの証なのです。
長いベールを身にまとい、彼女は優しい穏やかな日差しの中で、愛する彼を想います。
その表情はとても優しく、凛々しく、そして永遠の美しさを思わせます。
彼女のその俯いた横顔に私の脳裏にある曲が流れました。それは、バッハ作曲の「G線上のアリア」。
神秘なる花嫁の光に似たその曲は、明るい未来を約束する光に包まれ、とても美しく微笑む彼女そのもののように思えました。