
被写体の人数は一人より二人、二人より三人・・・と
増えていくごとに難しさが増してきます。
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それはまるで数学のy=axのグラフのように人数が増えるごとに難易度が上がり、
組合せ方が増えていく様な感覚です。
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そしてさらにそこに、被写体の体の大きさ、性別、年齢、衣装、インテリア、雰囲気、関係性、表情…
あらゆる条件が加わりさらに複雑化してとても数字では表せないものになっていきます。
無限大のあらゆる可能性が写真にはあります。
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もし数字を用いて表せることが出来ていたら、全てを表すことが出来たときに
私の場合は、先が見えなくなったり、また、世の中の写真の価値が今より低くなってしまうでしょう。
私は、数字で表せる計算が好きでしたが、写真はまた違った楽しみがあります。
例えば気持ち、感覚を言葉や数字といった具体的なもので表すのは難しく、写真であれば
全く形にできなかったものを表現出来る気がしています。
(100パーセントは難しいですが)
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恥ずかしがっている姉弟
二人とも本当にシャイな性格です。
まるで、私の子供の頃のよう…
きっと知らないお姉さんが大きなカメラを抱え話しかけ、両親、祖父母が気合の入った様子で
こちらを見ている非日常の様子に困惑しているのでしょう。
楽しみたいけど、笑いたいけど、恥ずかしいし、どうしていいのかわからない。。。
そんな緊張して固まった二人の心を溶かしてあげたくて、
まずはじめに心強いかなと思い、姉弟のシーンを選択しました。
「大丈夫だよ、安心して」と言葉で伝えるのは簡単ですが言うだけでは絶対に伝わりません。
オーバーに楽しませようとしてもかえって逆効果。
話し方と、表情で二人に呼びかけます。
一緒に入ったコーディネータがいたずらをすると弟くんはいつもの表情を見せました。
そして後ほど、それぞれのソロの撮影をしていく中でこの表情は二人だから出た表情だとわかりました。
二人写真はほかにもたくさんありましたが、関係性、性格を一番示しているのがこの写真でした。
こちらの要求にきちんと答えてカメラ目線をするお姉ちゃんと、コーディネーター
のアクションに楽しみながら姉に共感を求め寄り添う弟くん。
仲良しの二人がとてもうらやましかったです。