フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive

実現となるとき、その瞬間

投稿日:2011/4/5

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「ふたりの距離を近づけたい」 インテリアをリニューアルする時に、この廊下をシックなweddingの空間にしたいとずっと頭の中にイメージをしていました。 今までは、お客様の写真を飾ったりと明るいイメージだった廊下の壁に、 みんなで黒まみれになりながらペンキを塗って、向かって右サイドにおとなの高さもカバーできるライトBOXを設置し、コントラストの表現、そして人物の距離感を表せればと思っていました。 1月中旬のインテリア工事が終わり、わたしはそのまま2月から2ヶ月もの間、学習休暇期間をいただいていました。 その間に出会った、西日本のたくさんのカメラマンとの話の中で、わたし達は人生に関わっている、その言葉と、仲間が撮ったwedding写真の楽しそうで、でも緊張していて、何とも言えない幸福感が、やっぱりいいなー、と感じていました。 学習休暇も終わり、これから休みに入る古関さんとお好み焼きを食べながら話をしました。 「休み終わって、何を1番にしたい?」 そう質問された時に、 「wedding撮影したいです」 そんな言葉が口から出ていました。 家族のはじまり。 チャンスは、すぐにやってきました。 わんぱく盛りの2歳の双子ちゃん、4歳のお姉ちゃん、3姉妹とパパとママ。 みんなが揃うと、すさまじい!(笑) きっと、ずっと、この5人でわーわー毎日過ごしてきたんだろうなぁと、思いながらわーわー撮影をして、家族写真がだいたい終わったところで、こども達を隣の部屋へ連れていきました。 静かになる部屋。 ふたりが出会ったときの空気に戻ったような。 こんなにも違うものかと、正直驚きました。 最後に、この空間で撮影をしました。 ふたりだけの空間。 このときのふたりの想いを、そっと思い浮かべながら。 「もっと近づいてみましょう。」 言ってみました。 その瞬間の反応がすべてを物語っていました。 今までずっと、こどもたちと過ごした月日の中で、 もう一度夫婦としてのお互いの存在を確認するような、 その中で、ぐっと照れているような… 近づくまでの、ふたりの仕草と目線。 この後、近づいたふたりの距離も撮りましたが、 この写真が、今のふたりなのだと感じます。 こういう本当の瞬間が、わたしは好きです。 人、それぞれの時間。 出会った日のこと、 今までのこと、 家族のことを、 また改めて想ってもらいながら、 写真として切り取っていくとともに、 大切な想いの確認作業のような時間をスタジオでつくりたいと思います。

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