
このお二人はウェディングの撮影だった。
横浜から新幹線でご来店された。
読書好きなお二人と聞き、私が今本を持っているか聞いたら、
たまたまお揃いの電子図書のケースが出てきた。
お二人ならではの写真が撮りたくてその電子図書を持ってもらった。
きっと家でも一緒に本を読みながら同じ時間を過ごしているのだろうと思った。
同じケースでもその持ち方は個性があった。
そういうところが良い。
同じものを使っても使い方が違う。
使い方が違っても同じものを使用している。
お二人にしばらく本を読んでもらい、私たちは存在を消した。
できるだけいつも通りのお二人の時間にしたかった。
そうすることで緊張も解けいつもの二人の表情になると思った。
家の中でそれぞれが本を読み、ふとした瞬間に笑い合う。そんな空気だった。
この後ドレス、タキシードに着替えて撮影した。
最初から最後まで、二人の空気が漂っていた。
ほんわかした時間だった。
でも本人たち以外にはわからないものもあるだろう。
それぞれが多くのものを抱えていても
それを支えるようにパートナーがいる。そうやって夫婦の絆は強くなっていく。
二人でいればどんなことも乗り越えられるように、ずっと笑って楽しくて幸せな
時間で埋め尽くされるようにいてほしいと願う。
撮影が終わり私たちの距離も縮まり、二人が帰っていく後姿を見送りながら、
また二人に会いたいと強く思った。