
.
それは、愛の形だった。
「抱きしめてください」とだけ言って、ただ抱きしめてもらう。
それを何ヶ月も続けていると、後ろから抱きしめる人、向かい合って抱きしめる人、優しく包んだり、力いっぱいぎゅうっとしたり、私は撮影を通して、家族の数だけその答えを見ることが出来る。
.
抱きしめるという同じ動作なのに、どうして人によってこんなに違うんだろう。
「こども」と「大人」の関係性、家族の愛の形がそこにはありました。
.
この写真のおばあちゃんとお孫さんは、私の一言のあとに向かい合って全力で抱き合った。
いつもそうしているような、当たり前のような力強いハグに垣間見たのは二人の関係性。
女の子は、もうすぐでこの髪を切るんだと言っていた。だから、切る前に記念に撮りに来たんですよ、とおばあちゃんが付け加えた。
人の分だけ愛の形があり、またその分だけ此処に来る理由もあるのかも知れない。
.
撮影後、おばあちゃんが「さよならのギュウは?」と言ったら、女の子が私に力いっぱいハグをして、可愛い可愛いキスをしてくれた。
それが二人の関係の中に入った私に、彼女が向けてくれた愛の形でした。
.