
最近、名古屋では雨の日が続いている。
4階建てである名古屋店は、前ミカサ写真館跡の高さのあるスタジオである。
特に3Fは、その高さを生かし、壁にはインテリアが敷き詰められている。
晴れた日は南からブラインド越しに綺麗な光が部屋を明るくさせる。
曇りの日は蛍光灯の光を利用して撮影が行われる。
この日も降ったりやんだり、拍子抜けの天気だった。
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名古屋店の3Fにある白い部屋は、自然色の蛍光灯と、
タングステンライトが無数に壁に仕掛けられており、
陰影をつけるのに役立てる。
続いた雨の日に、視点を変えたくなった。
いつもとは違い白い部屋から逆向きにカメラを構えてみた。
そこには自分がまだ経験していない、奥行きのある構図が広がっていた。
本棚に仕掛けられたタングステンライトが、その高さを改めて教えてくれたように思う。
新たな発見と、雨の日のスタジオがいつもより広く感じられたこと。
それを知っていたかのような彼女の振る舞いに僕は喜びを感じた。