
最近、撮影した自分の写真データを見直してふと思うことがあった。
「自分の表現したいものは一体何なのだろう?」・・・と。今まで、私自身「お客様が喜んでくれる内容」や「その子のその瞬間にしかない「らしさ」」という内容を大切に撮影してきた。
だけど、ここにきて立ち止まってみる。
「それらの写真に自分の「らしさ」はどれほど表現できているのだろう?」
・・・もしくは・・・
「作品の中にどれだけ自分をアピールできる作品を残すことが可能なのだろうか?」
・・・あえて、今までは「その人の「らしさ」」に仕事として撮影をし始めてから、その部分を最も大切に撮影を意識してきた。
「自分が満足できてもお客様が満足してくれず、なかなか見返してくれないような写真は自分にとっては意味がない」そう思ってきた。
ここにきて、また再び立ち止まる。
「自分の好きな写真とはどんな写真なのか?」
「自分の撮影する写真の中で一番大切にしている部分はお客様なのか?それとも自分の感性なのか?」
・・・そして問いかける。
「自分の感性で今まで勝負したことが果たしてあるのか?」
試す前から、自分の技術に対して勝手に「限界」を少し感じていた。自分の「個性」を表現することは難しい。なら、せめてお客様が望んでいる撮影をしよう。それが「プロ」だ。・・・と思い込んできた。
だけど、そろそろ自分自身に入り込んでいく必要がある時期に少し差し掛かっている。そう感じる。
この写真を選んだ理由。
私の好きなテイスト手段のひとつ。それがモノクロで「動」のイメージよりも「静」のイメージが強い作品。
彼女のイメージは限りなく「動」のイメージ。
そして「笑顔」がとても印象的だった。
だけど、そんな彼女に対して私は、その彼女の中、そして自分自身の中に眠る「もう一人の自分」を表現したかった。
「静寂」の空間の中に差し込む輪郭をカタチ作る光の演出を表現したいと、構想した一枚。
そんな、「内なる自分の本当の声」を感じた撮影だった。