
オレンジ
黄色
虹色
太陽の色
余計なものを引き算した時、見えてくるものがある。
日進店は一軒家を改造した小さなスタジオだ。
大人5人もいれば狭く感じ、一階でおーいと叫べば二階からはーいと返事が返ってくる。
撮影する時は、小さなインテリアの中で目を皿のようにしてポイントを探す。
その中で思いもよらないポイントや気付かなかった背景を見つけることがある。
この時、ママに立ってもらったのは白い壁の前。普段は横にある本棚をポイントにするのだが
ふいに思い立ち、ライトの入った真っ白い壁の前に立ってもらった。
ファインダーの中、新しい世界が広がる。やった、と思う。
優しいパパが声をかける。
ママが笑う。
みーちゃんが笑う。
白に引き立てられて、その場にぱっと太陽色の華が咲いたようだった。
太陽の華、鼓動とリズム。生命の色だ。
これから日進店にいくつの華が咲くのだろう。
よりたくさんの華が咲くように、今日も明日も明後日も、目を凝らして人を見つめる。