
夏の初めに出会った淡いワンピースに身を包んだ一人の少女。
近くにいるのに、彼女はスカートをふわりと翻し、気まぐれに一人でシャボン玉に口をつけ遊びだした。
「こっちにシャボン玉見せて~」
声をかける私たちを一瞥するが、すぐに違う方向へシャボン玉を飛ばし始めてしまった。
彼女だけの小さいようで、とても大きな彼女だけの世界。シャボン玉をゆっくりと吹くたびに小さく丸まった背中を見て、思う。
そっと、彼女を包み込む風や光、そして彼女の大切な彼女にしか見えない「たからもの」。
一緒に探しに出かけたいな。
そう、思いながら夢の中の少女に小さく呟いた。