
まっすぐ立っている被写体にどうコメントをしてポーズをとってもらうか?
最近ずっと考えていることです。
子供でも大人でも、モデルでない限りは自らポーズをとる人はあまりいません。
カメラマンのイメージが大きすぎで、被写体に支持が明確に伝わらずにいつまでもシャッターを切れなければ、被写体は不安になり、気分が悪くなります。
かと言って指示をしなければただ座っているだけの写真になります。
被写体とのコミュニケーション、写真の構図、何でもそうですがバランスが大切です。
カメラマンの心、被写体の気持ち、一緒に盛り上げながら、一緒に作り上げることが出来たら出来上がった写真は二人の気持ちが一つになった産物になるのではないでしょうか?
一見、不自然なように見えるポーズを自然に見せるために、左右と上下のバランスが重要です。「上に手が届くかな?」そう声をかけながら、私も実際に手を曲げながら上にあげて彼女に話しかけました。予想したように彼女は上に手を上げ、私はその場の感覚でもう少し右、左…と上げた左手の位置を微調整しました。
撮影の時は、感覚的にバランスをとったものですが、不自然なポーズでありながら自分の中でしっくりとくる理由を考えてみました。右と左の腕がアシンメトリーになっていること、縦横に線があり、青いクッションが斜めに入っていることで図形を描いたような箱の中に彼女が入っていることだと感じました。
まっすぐに下におろした右腕と、それとは完全に非対称的に曲げながら上にあげている左腕。アシンメトリーだからこそ表現されたポージングの新しいバリエーションを発見しました。