
知らない場所で、知らない人がいて、普段着慣れないお着物にお着替え。
ノリノリで着てくれる子、嫌で嫌で泣き続ける子。
それは本当に十人十色。
無理やり着物を着せることはできる。でも本当にそれでいいのか?
それと同時にそこまでしてでも、着物を着た姿を写真として残してあげたいと思う気持ち。
ご両親にも,私にも葛藤がある。
どうしたら気分を持ち直してくれるか?
泣き顔から笑顔になるためには?
お父さんお母さんの協力をたくさんしてもらってあの手この手でお着物を着てもらい撮影に進んでいく。
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ごめんね。着物が早く脱げるようにすぐに撮るからもう少し頑張って!!
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心の中で何度も思いながらカメラを構える。
ママに抱きつき泣き、パパにも抱きつき泣く。
こんなに求めているのにパパとママは気づくと少しずつ離れていく。
ママになだめてもらい、一人で撮ってみる?というママの問いに彼女は小さくコクンと頷いた。
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一人で立つ時間がちょっとずつ増えながらも、悲しくてすべてが嫌で嫌で仕方なかったね。
途中からは何が嫌かもきっとわからない状態。
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そんな中、パパが後ろから頑張れと背中を押してくれた。それに力の限り応えようとしてくれた。
パパの大きさ、パパの大きな力強い優しさ、彼女の小ささ、着物が、写真が、その場所が嫌で帰りたいけど、パパとママの期待にも頑張って応えようとする彼女の葛藤。
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目を真っ赤にして彼女は頑張ってくれた。
8歳のお姉ちゃんもたくさんたくさん協力応援してくれたね。
あのお姉ちゃんが一緒にいてくれたから彼女もたくさん頑張れたはず。
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この時の彼女の感情、彼女の頑張り、家族の愛情。それが1枚に収める事ができた。