
大宮店のWhite Roomは、色や模様が何もないところなので、白い紙の上に想像力だけで絵を描くように、時々発見する新しいものにいつも新鮮な気持ちになる。
そして毎日使う同じ小物でも、子供達の反応がそれぞれ違うのもひとつの楽しみだ。
小物を全部きれいに一列にならばせる子。
激しくあちこちに投げる子。
飲み込む勢いでペロンペロンなめる子。
上にどんどん高く積む子。
スタッフが立たせたものを倒す子。
せっかくスタッフがきれいに置いたのにきれいに片付けようとする子。
などなど子供達のいろいろな反応から、その子らしいさまざまな写真が生まれる。
子供だからこそ生まれる偶然を、必然としてカメラに収めるためには、瞬間を切り取る瞬発力と運も大事だ。
遊びに夢中でカメラマンの指示をなかなかきいてくれない子供達の遊びの中から見つけだした一つの流れ。
左の方向に自然に伸びた被写体の足と小物の流れが、写真全体に右上から左下に流れるような躍動感を与えてくれている。
いつも使う小物だが、置く位置と適切なカメラの向きと構図によっては被写体とうまく混じりあって一体化することを実感した。
一見、とてもシンプルに見える写真だが、子供たちの自由の中から見つけだした規律のような大事なことを自分に教えてくれた1枚の写真。