フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive
楽しむ。
投稿日:2011/8/23
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七五三の撮影で来てくれた彼女。最初の着物の撮影から緊張した様子も見せず、笑顔でスタートした。
7歳の撮影は1歳の撮影と大きく違う。まず会話が出来るという事が大きな違いだ。その子によっては大人の撮影並みに顔の角度から細かい指示を出す事も可能なのです。彼女の笑った時に上がる頬のライン。その可愛さを最大限に表現出来る位置に顔の角度を調整する。目線を調整する。もしくはその角度にカメラマンが動き微調整する。後者の場合でもその子がそのまま留まってくれないと出来ないものだ。逆に難しくなるのが子供と言えど大きくなるにつれ、恥じらいといったテレが出て来たりすることだ。それを埋めるのはカメラマンとコーディネーターの力が試される所だろう。いかに被写体にプレッシャーを与えず、シャッター音を心地良く思ってくれるか。その解決策のひとつとして、カメラマンとコーディネーターがどれだけ本気でその子の撮影を楽しんでいるかにかかると考えている。親が笑っていると自然に子供も笑ってしまう様に、または逆も然り、カメラマンとコーディネーターが本気で笑い楽しんでいれば、自然に被写体もこの空間を楽しんでくれるはずです。
さて、彼女の場合は最初に記したように、笑顔でスタートした彼女。
只でさえ着物を着るだけで疲れてしまうだろうに、それをほとんど感じさせなかった。そんな彼女にカメラマンは今出来る最大限を模索する。
まず、自分が「こういうポーズ出来る?」とやってみせると、彼女は自信たっぷりに頷いて同じ様にやってくれた。「じゃあ、これは?」と、だんだん要求も深くなる。彼女はそれに快く応えてくれた。
そうやってひとつひとつ、一緒に作り上げて行く。
そしてシャッターを押したとき、この上なく楽しく、高揚する瞬間だ。
光・・・
構図・・・
色・・・・
カメラの設定・・・
色々瞬時に考えなければならない事は沢山ある。
ただ、それはこちら側の問題で被写体には伺い知れない事である。
それに囚われすぎて彼女との時間が御座なりになっては絶対にあってはならない事なのです。むしろ、そうなってしまっては勿体ないというべきでしょうか。
写真を撮られるという事を楽しんでもらいたい。その為には一緒に本気で楽しむ事。
その気持ちがまず一番です。
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