フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive
この先の未来へ
投稿日:2011/8/28
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心の中でいつも願うのは、
見たままのものではなく、いつも見ている風景を
いつもと違うように表現できないか、ということです。
私たちの中で繰り返される日常と、
その日に出会うご家族の日常。
重なり合う日常の中で、非日常的な姿を演出していく。
その中で、少しだけ、
リアルな優しさや温かさを伝える事ができたらいいなと思うのです。
この写真の中で、
彼女は、
後ろで手を組み、俯いています。
目線の先には彼女の右手しかありません。
たったそれだけですが、
たったそれだけの出来事を、よりリアルに、より感覚的に、
伝えようと思って撮った一枚です。
人は、物語の中を生きているわけではありませんが、
彼女と彼女を取り囲む大人たちが作った物語の中で、
彼女はとらわれたお姫様のように、
何かに考えを巡らせ、
小さく祈るように思いを馳せるのです。
幼稚園や保育園では
泥だらけになって遊んでいるような子どもでも、
魔法をかけてあげれば、
人は、日常から抜け出して、
非日常の中で、
またいつもとは違う自分を、私たちに見せてくれるのです。
宝箱の箱をそっとしまうように、
過ぎていく季節を記憶の中で思い出すかのように、
静かに流れる風が、私達の前をそっと通り過ぎていくように、
彼女は少しずつ目を閉じてくれました。
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