フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive
躍動感1
投稿日:2011/10/29
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今月、「躍動感のある写真」を意識して狙っていた。
躍動感=広角。アングルは下か上で、表現を誇張させて・・・
そういう先入観が自分の中にあった。
なので、そういった先入観から抜け出す為、自分に条件を出すことにした。
「広角を使わず、アングルを出来るだけ被写体目線にして、躍動感を出す」
これが私の今月の課題だった。
広角を使わず、自分が動いて撮影すれば、ファインダーのこちら側も躍動しているわけだし、同じスピードを被写体も撮影者も共有していることになる。
それを感じてみたかった。
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50mmで撮った、1歳のオムツ写真。
最初クマの横に座ったはずの彼は、もう3秒もたたない間にコッチにハイハイしてきた。小さな望みをかけてアルファベットの積み木を彼の前に置いた。「きっとこれに気を取られて少しは止まってくれるだろう・・・」と。
だが彼の躍動は、そんな私の希望の積み木なんかでは止められるはずもなかった。
真っ先にひとつ加え、コッチに向かって来る。
クマが遠くに見える。残りのアルファベットがまだ前に広がる。
な、なんとゆう遠近感。
一瞬、彼が笑顔とも怒りとも捉えがたい独特の顔をした。
「広角を使わず、目線で。」それだけは忘れまいと、突進してくる彼に負けじと動きながらシャッターを切る私。
そこには数字の「1」をくわえ、「1歳だぜイエーイ!!!!!!!!!」と言わんばかりの彼が居た・・・。
彼の表情も、くわえた積み木も、遥か後ろに見えるクマも、手前に広がる残りの積み木も・・・
なんとゆう、1歳の記念だということが分かりやすい写真!
1歳の君は、こんなにも動きの早いハイハイをしていたんだよ。
こんなにも、躍動した表情をしていたんだよ。
でもね、君がくわえたこの積み木は、数字の「1」じゃなくって
本当はアルファベットの「I」なんだよ。
君のお陰で、「1」に見えているんだよ。
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