フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive
躍動感2
投稿日:2011/10/29
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Aoyama photo by okamura assistant seririn
今月、「躍動感のある写真」を意識して狙っていた。
躍動感=広角。アングルは下か上で、表現を誇張させて・・・
そういう先入観が自分の中にあった。
なので、そういった先入観から抜け出す為、自分に条件を出すことにした。
「広角を使わず、アングルを出来るだけ被写体目線にして、躍動感を出す」
これが私の今月の課題だった。
広角を使わず、自分が動いて撮影すれば、ファインダーのこちら側も躍動しているわけだし、同じスピードを被写体も撮影者も共有していることになる。
それを感じてみたかった。
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一概に「躍動感」といっても、そこには色んな躍動感がある。
それぞれ、リズムも表情も、音も、吹く風も違うけれど、どれも躍動感には変わりはない。
私は上記に述べたレンズ及びアングルの条件を満たした上で、「躍動感」の幅を模索していった。
85mmで撮った、5歳の男の子。
椅子に座った彼に、ウンジョンさんが、以前からどうしても小物として使ってみたかったというデッキブラシを渡した。こういうコーディネーター達の欲は、撮影者の脳を刺激し、撮影の幅を広げてくれるのでとても嬉しい。
だが、キッズの男の子。それなりに思考力も発達しているし、これが紛れもなくデッキブラシだということも了解しているであろう。私が恐れたのは、彼がこれをデッキブラシとして、ここで掃除を始めてしまうことであった。「このままだと、これがただのデッキブラシになってしまう・・・!」そう考えた私は、あるコメントがけをしてみた。
するとデッキブラシを自由に奏で始めた彼から、緩やかな動きが生まれた。
よかった。とてもよかった。彼の奏でるこの独特のリズムが、とても心地よかった。
こんな躍動感もあるんだと、私の心も彼のリズムで踊った。
それが私と彼との躍動だった。
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