フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive
この先の未来へと
投稿日:2011/11/12
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この写真を見たときに、
人物に対して、ランドセルの占める割合が多いように感じます。
少し窮屈さを感じさせてしまう一面もあるかと思います。
ですが、これが小学校低学年におけるランドセルの真実です。
いつの時代もランドセルは
1年生には大きく、6年生には小さく感じてしまいます。
A4ファイルがすっぽり入るようになり、軽量化されたランドセルは、
天使のランドセルなどと謳われ、
色のバリエーションもどこかの洋服メーカーのように増え続け、
赤と黒だけだった僕たちのランドセル時代とは
雰囲気が大きく変わりました。
でも、
気持ちは、何も変わりません。
真新しいランドセルが6年後ボロボロになるものだとしても、
親は子どもたちに、
想いを乗せてこのランドセルを贈るのでしょう。
元気よく過ごしてほしい。
友だちをたくさん作ってほしい。
いつまでも健康でいてほしい。
いつの時代も、親が子に、願い、思いを託す気持ちは変わりません。
6年後、ランドセルを卒業するころに、
また彼がここに来てくれたら、
彼のランドセルはきっと、
投げられ、飛ばされ、たたかれ、つまづかれ、踏まれ、尻にひかれ、
どれだけボロボロになっているのでしょうか。
今があるから未来がある。
未来があるから過去がある。
今はまだ交通安全の黄色いカバーで覆われているので、
傷一つないキレイなこのランドセルですが、
「昔はこんなにキレイだったんだね」と、
6年後、ふとした親子の会話で、
この写真が使われたり、この写真のことを思い出してくれたら、
最高にうれしいなと思います。
僕たちの撮る写真は単に「今」を写すだけではなく、
皆様にとって、
未来に繋がる写真であってほしいのです。
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