フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive
クローズアップ
投稿日:2011/11/30
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それは大きな課題である。
四角い枠の中に目一杯被写体を写し込む。
集中する。引き算する。その中でもできるだけ被写体の個性を残したい。
絵の塾でに通っていた頃、余白をデザインするということを教わった。
正直その頃はそれがよくわからなかった。
無駄なものを写すのではなくすべてを写すことで完成させる。
大きな黒いカメラを持った知らない人間が顔のすぐ側まで近づくことに対して
警戒するのは子どもだけではない。誰だってテリトリーはある。
そのテリトリーに入った瞬間不快な思いをする人は多いはずだ。
そんな中カメラ越しでも近づくことは関係を築かなければ難しいこと。
ただ、そのテリトリーに入れることを許してくれた瞬間心の距離も縮まる。
会ってすぐには難しくても関係を築くことで許される距離感。
クローズアップはそれを示すものでもあるのかもしれない。
この写真はこの子の個性、髪の毛の質、手の大きさ、彼女が目一杯詰まっている。
余白などない。
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