フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive
瞬間、心、重ねて
投稿日:2011/12/3
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6歳のお兄ちゃんには、
「足をさ、椅子の上に乗せて、トンネルを作ってみてよ」と頼みました。
3歳の妹ちゃんには、
「ねぇねぇこのトンネルをさ、狭いけどくぐってみてくれないかな?」と頼みました。
とてもうれしそうに、彼女は彼の作ったトンネルの下をくぐってくれました。
この写真を撮る上で注意を払ったのは主に子どもの表情と構図の2点です。
着物の撮影のときはまだまだ表情も硬く、お兄ちゃんも照れてしまっていて、
うむむ、兄妹写真はどうしようかと思いました。撮る前にはまだイメージが沸々とわいてこなかったのです。
でもなんだか動きや声を感じられるような写真が単純に撮りたかったのです。
うまくいくか、いかないか、どのくらいのことが出来て、出来ないのか、
それは子どもたちのそのときのタイミングや機嫌や年齢や疲労度次第ですが、
とにかくまぁ楽しく撮影をしたかったのです。
生きている写真。
笑い声が聞こえるような写真。
バラバラのポーズの中からもそんなものを感じられる写真を撮りたかったのです。
僕の撮りたいのはやっぱりそういう写真です。
人がそこで生きている写真。目指すはそこです。
でも単純に攻めてもつまらないですし、ひとひねり加えたかったのです。
この子たちにはどんなことをしたら楽しいなって思ってもらえるんだろうかって考えて
このとき最終候補として浮かんだのがこのイメージだったのですが、
子どもの様子を見ながら、今ならイケるな!というタイミングを見計らい、2人に声を掛けたのです。
で、
僕たちと彼らのコミュニケーションと采配がうまくいったなと思う瞬間でした。
2人の、笑ったときに見える真っ白い歯が、キラキラと輝いて見えました。
その白い歯が自然と出てきて、僕たちは「2人が生きているな」って感じました。
声が聞こえました。
ケラケラと。
パパとママも僕たちの後ろで笑っていました。
ですが、このポージング、お兄ちゃんがバランスとしては若干不安定な気がします。
だけど6歳だし、多少不安定なポージングもそれはそれで面白いかもなという安易で陽気な発想で、
撮影に臨みました。
カメラを横に構えて全体を入れようかと思ったのですが、
普通に正面から撮るとどうしても人物のバランスが崩れてしまうので、
縦にして、斜め横からカメラを構え、
バランスが少し不安定なお兄ちゃんを気持ち後ろに配置し、
左右は少しずつだけカットし、
少しだけ振って斜めにして、重さのバランスをとれたらいいなと思ったのです。
なんにしても僕は、
ちょっとふざけしてるときの子どもたちの笑顔がたまらなくかわいく思えてしまう、
今日この頃なのです。
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