フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive

投稿日:2011/12/29

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自然光が燦々と降り注ぐ午前中。

フラワーカフェで、赤をポイントにビビットな写真を撮ることが好きだった。

好きだった、というよりも、そうしなければならないような気さえしていた。

だからこそ子供が赤い洋服を着ていたのなら、フラワーカフェで撮影していたし

このインテリア独特のテンションを、どうすればよりビビットに元気良く表現出来るのかに注力していたように思う。

ここでインテリアのテンション宜しく撮影することは

間違いではないし、安定しているし、確かに何よりもこどもらしい写真になるのだった。

 

だが、私という人間は一度抱いたそれを大きく崩したくなる欲求にかられるようだ。

青山の朝の写真の印象を変えてみたい。そんな欲が次々と出てくる。

それがいつか、同じフラワーカフェで撮っても印象のまったく違う写真になり、

部屋数の少ない青山店のバリエーションに繋がればと考えていた。

 

 

そのために。まず。普段、ウッドの部屋でコーディネートするであろう衣装と帽子を取り入れた。

次に、フラワーカフェのポップな赤い印象をグリーンの力を借りて柔らかくすることにした。背景のポイントである赤の印象を弱めるため、自然光を柔らかく利用するため、撮影時カメラ設定にて赤の補色であるグリーンを足す。

さらに被写界深度をできるだけ浅くし、手前にクローバーを入れることで再度グリーンを足し、背景をぼかす。あとは、アシスタントのセリンが吹くシャボン玉に夢中になるその子を追いかけるだけだった。

 

 

私はとかく新しい写真を撮りたいというわけではない。

ただ、青山の写真の幅を広げたいという思いは揺るがない。

だけど、そのために「凝り固まった概念を打ち砕かなければ!」なんてそんな大層なことは考えたことも気負ったことすらもない。

だってファインダーの向こうで無邪気に遊ぶ子どもたちを見ていると、そんなことすら忘れてしまう。だから、私もそんな子どもたちに合うようにと、もっと自由に崩して積んで楽しめたらきっと何か生まれるんだろうなと、そんな風に思う。

写真が楽しい。

 

 

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