フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive

投稿日:2011/12/29

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青山店の写真の長所と短所を考えていた。

長所といえば、「自然光を生かした写真」というのがやはり印象強いのではないだろうか。

青山店の構造上、神々しく入ってくる自然光。カメラマンの私たちはそれをありがたく大いに利用することが出来るし、青山店にとっても、それはとても大切な要素であるはずだ。

 

それでは夜はどうか。

散々悩んだ結果、青山店の夜の写真を形成する大きな要素もまた「光」であるという結論に至った。それは我が店とって、長所であり短所であるようだ。

なので私は当たり前のように光を勉強した。「昼間と変わらない写真」それが目標であるかのように勤めたのだ。

 

夜の撮影の際、具体的に私は何をしていたのか。

そのひとつに「窓を写さないこと」があった。なぜなら、真っ黒なそれを写すことで夜であることが一目瞭然であるし、その黒色が写真の印象を色のバランスと共に大きく変えてしまうからだった。

 

だけど

窓から逃げる、夜から逃げることが果たして正解なのか。

窓だからこそ、夜だからこそ撮れる写真があるはずだし、

私はそれを撮りたかった。

 

 

初めて青山にキューブのインテリアが出来たときのことをよく覚えている。

夜になるとそれが窓に映りこんで出来る影が、綺麗だなとよく見ていた。

夜だからこそ出会えることできる喜び。

そしてそれは、カメラの設定次第でどうにでも幻想的にすることが出来るようだった。

 

なるほど、夜には夜の写真を撮れば良い。

朝には朝の魅力があるのと同じように、夜には夜の魅力がある。

要は、発想の転換であった。

 

 

「夜に来て良かったね」その言葉が何よりも嬉しかった。

 

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