フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive
Orion
投稿日:2012/1/20
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この子の撮影をしたのは、もう半年も前です。
その時から何度も何度もこの写真を見返して、
自分が、この写真のどこがそんなに気になっていて、
この写真のどこがそんなに好きなのかを、半年間ずっと考えていました。
それは、もうちょっとどちらかに傾いたら持ち直しそうなこの不安定なバランスにあるのか・・・
それとも、
青と赤と緑のコーディネートと背景。
そのどちらにも存在する3色を基調とした統一感のある色味なのか・・・
床にぼんやりと映る人物とおもちゃの影のように、
おぼろげで見えそうで見えないものを感じていました。
特に真新しいわけでもなく、
単純に自分が、この子の撮影に思い出があってそう見えるだけなのか・・・
何ヶ月経っても変わらずに、
毎日のようにこの写真を見て一日が始まるようになりました。
バランスがいい。光がいい。構図がいい。コーディネートがいい。
仕草がいい。表情がいい。雰囲気がいい。
大胆である。繊細さを感じる。
笑い声が聞こえる。時が止まったようだ。
命の温かさ。家族のぬくもり。
いい写真と呼ばれるものには、そういった形容詞がつくのでしょう。
この写真をずっと見ていて、
私は、
癒されるような、救われるような、優しい何かを感じたのです。
それは、子どもからの肩たたきで少し肩の疲れが取れるような・・・
布団の中にくるまっていてほっとするような・・・そんな種類の暖かさです。
暖かさは、人に、安心感を与えてくれます。やすらぎとぬくもりを伝えてくれます。
人の持つ雰囲気や優しさをそっと汲み取れるような写真。
懐かしさと暖かさを、こんな時代だからこそ伝えられる写真。
私が今、外に向けて発信したいなと思うのは、あたたかな優しさの残る写真なのかもしれません。
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