フォトジェニックアーカイブPhotogenic Archive

越谷写真:30

投稿日:2012/7/20

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越谷写真:30

 

この写真を一目見た瞬間、好き!と思った。

ひとめぼれなんてしたことは無いけれど、こんな感覚なのだろうか。

 

この場所は光の入らない玄関脇である。

しかし隣の部屋は窓一面がガラス張りになっており、天気の良い日は贅沢な自然光がこれでもかと入ってくる。

この日も天候に恵まれていた。

その自然光を逆光として利用し、被写体のラインを美しく引き浮き立たせている。

背景となっているガラス張りの窓からの光と被写体のいる位置の露出の差、そしていくつにも重なるインテリアの枠組みによって生まれた立体感によって、より一層被写体に集中させてくれる。

さらにモノトーンのシンプルな色使いのコーディネートが、植物の緑・枠組みに使われたくすんだエンジ、青、車の緑といった多様な色の中から浮かび上がらせるひとつの要素になっている。

写真を構成する様々なよい要素を取り揃えたことのカメラマンの写真に対する熱意を感じることができました。

そして最後にこの写真の決め手は被写体の動きであると言えます。

シャボン玉を触ろうとし、上へと伸ばした一本の手。

そのために生まれたゆるやかな体のくびれ。

斜め上を向いた顔のライン。

被写体の動きを予想し、この位置とシャボン玉の速度を調節し、シャボン玉を吹いたアシスタント能力は素晴らしいと思います。

 

カメラマンとアシスタントのプロの仕事が十二分に発揮された素敵な一枚。

 

Photo by:misumi

Assistant by:soni

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